電磁波の「周波数」と「波長」とは?反比例するその関係を波形で図解

  ラジオの音が聴きづらかったりスマホでネットをしていると回線が遅くなったり。そこれらの話になる「電波が悪い」なんて言いますね。「電波」と言うのは「電磁波」と呼ばれるエネルギーの波の一種です。

 また同時に私たちが普段目にしている「」も同じく「電磁波」の一種でありこれを「可視光線」と言います。でも「」の場合には暗くなっても「電磁波が弱くなってきたなぁ」とは言いませんね(笑)それでもそれが電磁波であることに変わりありません。

 電磁波について専門的に研究するのは主に電磁気学量子力学の分野です。しかしながら日常生活の中でもよく「電磁波」とか「ヘルツ( Hz)」とかって耳にしますよね。

 そんな身近なのに意味はよくわからない「電磁波」と言うものを、今回は可能な限り簡単に図を用いて解説してみます。専門的な話はほぼ出てきませんのでご安心を。

 それでは、「電磁波」とは一体どのようなものなのでしょうか……。


光も電波も電磁波の一部である

 まずは「電磁波」のうち「」とは何か、そして「電波」とは何かを知っておきましょう。

 簡潔に言えば「」とは人の目で見ることのできる「電磁波」のことを言います。つまり「光=電磁波」と言い換えることも可能です。

 その「電磁波」とは何かは次節から述べるとして、目に見える電磁波のことを一般に「可視光線」と言い、一般に「」と言われるものの正体となります。

 今あなたがスマホパソコン画面を見る事ができているのはこの「可視光線」という範囲にある電磁波目(網膜)受け取っているためです。

 もちろん目に見えない電磁波もあります。それら目に見える「可視光線」に対して「赤外線」や「紫外線」と言われる電磁波で、これらよりもさらに外側に「電波」や「エックス線(X線)」のような領域が出てきます。

 「」の領域に虹のような模様があります。これが「光のスペクトル」と言われるものです。

 また、この表を見ると一番左端に「電力」とありますね。そう、私たちが普段何気なく使っている「電気」も電磁波のひとつなのです。

 それではこれら電磁波の種類のうち「電波」に分類される周波数帯をさらに細かく見てみましょう、

総務省:周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴を参照

 この図を見るとおり、「kHz」〜「GHz」あたりの電磁波を私たちは「電波」として使っています。単位としては「THz」「PHz」「EHz」と桁が上がっていきますが、今回はそこまで使いませんので数字が苦手な方もご安心を。

 「MHz」や「kHz」と言う単位。これが後ほど解説する「周波数」と言うやつの単位です。この「周波数」によって電磁波の使い道が分けられているのですね。


「電界」と「磁界」が相互作用する波形

 では本題。「電磁波」とは何かです。電磁波とは、「電界」と「磁界」の相互作用する「電磁界」を伝わる波のことを言います。はぁ?さっぱりわかりません。

 いったん図にして見てみましょう。

 あるひとつ電磁波電界磁界単純化して描いた物です。y軸進行方向x軸電場z軸磁場として描いています。

 おや。ひとつの電磁波であるはずなのに電界磁界2つの波が描かれていますね。これが「電界」と「磁界」の相互作用が意味するところで「電場」に波が現れれば「磁場」にも同じように波が現れることを意味します。

 また「電界」と「磁界」は常に90度傾いた垂直に交わる面の関係にあります。ですので電磁波の波をそのまま描こうとするとこのような立体的グラフ3次元方向に軸を持つ)を描く必要があります。

 しかし、いちいち波を2つ描くのはとても面倒ですし見にくいですね。ですのでこれらのうち片方だけ(主に電界の面)波の形を見ることにしています。「電界」と「磁界」が常に90度傾いた面で交わっていると言うことは決まっていますのでわざわざ描かなくても良いと言うことですね。

 このようにひとつの波に対して「電界」と「磁界」に垂直に交わる波が発生するため「電磁波」と呼ばれ、その波形を見る時には磁界を省略した波形を見るのです。


光の速さ=電磁波の速さ

 光の速さが一定であると言うのはご存知のところ。これはかの有名なアインシュタインによる「特殊相対性理論」の中で説かれた「光速度不変の原理」と呼ばれるもので、この世に光よりも早いものはなく、また相対的にも光の速さはその上限を超えないことになっています。

 なぜ光の速度が一定なのかは”そうなっているから”としか言えません。だからこそ”原理”なのです。

 真空中の光の速さ299792458m/s(約30万km/s)で、真空中であるならばその速さは絶対的に変わりません。”真空中”と書いていると言うことはそうでない場合は変化すると言うこと。

 たとえば水中透明なガラスの中光が通る場合には遅くなります。それにより「屈折」と言う現象が起きるのでしたね。ジュースの中に入っているストローが折れて見えるあの現象です。

 そして先述の通り「光=電磁波」ですから電磁波が真空中を進む速さも光と同じ299792458m/s(約30万km/s)になります。


「周波数(Hz)」と「波長」

 ではいよいよ「周波数」についてです。先ほど「磁界」と「電界」から取り出した「電界」の波形を用いて説明していきます。

 「周波数」とは電磁波1秒間に何回振動するか電磁波1秒間進む間何度振動するか)を意味します。そしてこの時の単位を「ヘルツ(Hz)」と言います。

 波の形がx軸に対して上下に振れますが、この上下の振れ一回を1周期として見ます。この波形の場合は1秒間に3周期していることになりますね。つまりこの波形は3ヘルツ(Hz)の波形と言えます。

 そしてこの周期の”長さ”のことを「波長」と言います。

 「波長」は同じ周波数内であればどこからとっても同じ長さになります。波長が変われば周波数も変わり、逆にいえば周波数が変われば波長も変わることになります。

 余談ですが、「ヘルツ(Hz)」と言う単位が使われる以前には「サイクル毎秒(c/s)」と言う単位が使われていました。これをそのまま「サイクル=周期」と意訳すれば「周期/秒(c/s)」であり、意味だけで言えば「サイクル毎秒」と言ってくれる方が素人目にはわかりやすかったですね。


電磁波の「波長」の計算式

 「波長」とは”長さ”なわけですから数値として計ることができます。計算式にすると「波長=光速(約30万km/s)/周波数」で表される波の長さです。意味としては字面そのままです。

 それではこの3ヘルツ(Hz)の波の波長を計算で測ってみましょう。

 「波長=光速(約30万km/s)/周波数」ですから計算式は「30万km/s÷3Hz」で答えは「10万km」。

 なんとこの波形だと波が一回上下に振れるのに10万kmも必要なのです!長っ!こんな長ーい波で情報を伝えられるのか?と思ったあなた。忘れちゃいけないのが、1秒間3回振動しているってことです。

 その振動こそが電磁波の正体であり、波はその形に過ぎません。

 そんな長い波長があるんかいなと思うかもしれませんが、実はめちゃくちゃ身近なところである「脳波」がこの帯域周波数です。

 寝ているときには「δ波(デルタ波)」と呼ばれる1Hz〜3Hzの周波数脳波が出ており、ウトウトしていたりあまり集中できていない状態である「θ波(シータ波)」では4Hz〜7Hz覚醒状態である「α波(アルファ波)」が8Hz〜12Hz興奮緊張状態である「β波(ベータ波)」が13Hz〜36Hzです。


「周波数」と「波長」は反比例する

 「周波数」と「波長」のそれぞれの意味が理解できればそれらが反比例する関係だと言うこともわかります。

 1秒間の振動回数(周波数)が増えればそこに現れる「波長」が短くなることは図にしてみれば自明ですね。

 上の図では3Hz6Hzのそれぞれの電磁波を示しましたが、周波数(Hz)3Hzである6Hzになると波長1/2倍である50000kmになっています。さらに12Hzでの波長3Hzに比べて1/4倍2500kmにまで短くなります。

 こうして反比例することで周波数上がるとどんどん波長がどんどん短くなるため、ナノメーター(nm)ピコメーター(pm)と言う極めて短い周期で振動する電磁波が存在しうると言うわけです。


「電界・磁界」と「偏波(偏光)」の波形図は別物

 「電磁波」について調べるとたまにこのような図の波形も出てきます。このような図は「偏波」や「偏光」と言う現象を説明する際に出てくるもので、「磁界」と「電界」の相互関係と言う話は全く別物です

 「偏波」や「偏光」について表す場合、「電界」なり「磁界」なり特定の側の界について表されるので「電界」の偏波について表す際には「磁界」の軸は出てきません。

 なぜ出てこないかと言うと、前述の通り特定の波に対して垂直に交わる面にそれがあることがわかっているので(端的にいえば)省略しているのです。

 「偏波」や「偏光」について話だすとこれがまた長くなるのでかなり端折って単純化した説明だけしておきます。

 太陽からやってくる光などの電磁波あらゆる方向に傾いている様々な種類の電磁波がごちゃ混ぜになって空間を移動していて、そのうち垂直に交わる2種の波だけを取り出すことで、ごちゃ混ぜになった電磁波から特定の波だけを作り出し、さらにそれらを合成したと言うような図になります。

 ごちゃ混ぜになった電磁波から垂直に交わる二つの電磁波の波を合成することでひとつの波にすることを「偏波」と言い、特に「」についてそれを行う場合には「偏光」と言われます。

 そして、垂直に交わる2つの電磁波の波が同じ間隔で波打っている場合、そこで「偏波」される波は2つの波の中間をとるような平面の波を作るとちょうど斜めの位置に波ができます。これを「直線偏波(直線偏光)」と呼びます。上の図では青い波が「直線偏光」の波です。

 それに対して、2つの電磁波の波ズレて波打っている場合(このズレを「位相」と言う)、同じように2つの波の中間を取るとそこで作られる波は螺旋状の面を作ります。これを「円偏光」や「楕円偏光」と呼びます。

 この時にあえて「電界」と「磁界」の関係を述べるのなら、偏波された電界の波に対して磁界もまた電界に対して90度傾きながら一緒に「偏波(偏光)」されます。

 「直線偏光」の図にあえて「磁界」の描き込むならこんな感じです。

 濃い青色偏波の持つ磁界の波を表してみました。ありゃぁごっちゃごちゃですね。これにEy波Ex波磁界描き加えたりした時にはもうどの波を見ればいいのかもわかりません。やはりいずれにしても「電界」と「磁界」が垂直に交わると言うことさえ知っていれば省略して構わないってのがわかりますよね。


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