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英雄は遅れてやってくる

2025.05
[SIZE] 297mmx212mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

「英雄(ヒーロー)は遅れてやってくる」というフレーズはよく聞く割に初出がよくわからない。

ネットで調べる限りではどうにもその元ネタに辿り着けないでいる。こんなにも有名なフレーズなのに誰がどこで言い始めたのかがわからない。

さらには自分自身がこのフレーズをどこでいつ知ったかすら見当もつかない。

それなのに、いつかの誰かがどこかで言っていたようなイメージだけは頭の片隅で残っている。

多くのヒーロや主役たちがこのフレーズを度々使ってきたために一種の”ヒーロー像”としての印象だけがこのフレーズに宿る。

ピンチになる前に助けてくれよと思うのだけれど、ヒーローたちはいつも弱者が痛めつけられ被害が出てからしか現れてくれない。それでも最後にヒーロたちは弱きを助け強きを挫いてくれる。

正義の光に落ちる影が悪なのだと上手いことを言う人もいるけれど、影が先立ち光差す時にはもう手遅れになってはいないのだろうか。

それでも理不尽な苦境に立たされた人々は、ヒーローが颯爽と現れて助けれくれはしまいかと待ち望んでいる。それが心の支えとなることもあるのだろう。

そういえば「白馬に乗った王子様」も遅れてやってくる印象があるなぁ。

「今は辛いこともあるけれど、きっと誰かが助けてくれる。」なんてのは他力本願に聞こえるかもしれないが、本願もなければ仏はやってこないだろう。

まだ見ぬ陰に恋焦がれている間は、「誰が言い始めたのか?」なんてその影を追うのは野暮なのかもしれない。

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ペンローズの三角形

2025.05
[SIZE] 224mmx224mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

「ペンローズの三角形」とは、1934年にスウェーデンの芸術家オスカー・ロイテルスバルトが考案し、それとは独立して1950年にライオネル・ペンローズ(精神医学者)とその息子のロジャー・ペンローズ(数理物理学者)が考案した不可能図形である。(Wikipedia「ペンローズの三角形」参照)

「不可能図形」は錯視の一種であり、3次元の投影図として解釈されるような2次元図形に見えるが、実際には視覚的に解釈されたような立体物として3次元上に再現が不可能な図形である。「ペンローズの三角形」は不可能図形の代表的なもののひとつ。


自分の描いた作品が鑑賞者にとってどのように知覚され解釈されているのかは私にとって強く興味のある鑑賞体験だ。

作品たちは作者たる私と鑑賞者の間で認知的錯誤を必ず生み出すだろう。同じ思考の方向性でひとつの作品を見ていてもその思考は完全には一致することなくぐるぐると螺旋を描く。それは時に堂々巡りの水掛け論のように見えることもあるだろうし、思考の深淵に潜り込んでいくような愉悦を感じてもらえることもあるかもしれない。

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太極両界円相鏡mini【陽】

2025.05
[SIZE] 122mmx122mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

《太極両界円相鏡【陽】》の小さいサイズの作品。
《太極両界円相鏡mini【陰】》の対となる作品。

ミームは宗教や思想についても語られます。この作品は、東洋思想的の影響を受けた文化圏における「真理」や「宇宙観」をテーマとしています。主には「太極(陰陽思想)」「両界曼荼羅(密教)」「円相(禅宗)」「神鏡(神道)」の4つの要素が入っており、これらそれぞれの思想に共通する、「表と裏」や「こちらとあちら」などといった、“極性の均衡”を描いたものです。東洋思想に共通する「ミーム」を抽出し、普遍的な宇宙観を見出そうとした作品です。《太極両界円相鏡【陰】》と対の作品となります。

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太極両界円相鏡mini【陰】

2025.05
[SIZE] 122mmx122mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

《太極両界円相鏡【陰】》の小さいサイズの作品。
《太極両界円相鏡mini【陽】》の対となる作品。

ミームは宗教や思想についても語られます。この作品は、東洋思想的の影響を受けた文化圏における「真理」や「宇宙観」をテーマとしています。主には「太極(陰陽思想)」「両界曼荼羅(密教)」「円相(禅宗)」「神鏡(神道)」の4つの要素が入っており、これらそれぞれの思想に共通する、「表と裏」や「こちらとあちら」などといった、“極性の均衡”を描いたものです。東洋思想に共通する「ミーム」を抽出し、普遍的な宇宙観を見出そうとした作品です。《太極両界円相鏡【陽】》と対の作品となります。

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展開する万華鏡-舟-

2025.01
[SIZE] 150mmx150mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

幾何学的に見える図柄は折り紙(舟)の展開図である。

作品シリーズ「展開する万華鏡」の解説

折り紙を解き広げて平面的な紙へと戻すと見える「折り紙の展開図」。

「折り紙」は日本の伝統文化のひとつとされるが、何も日本固有のものと言うわけではない。世界中の多くの地域にその文化特有の折り紙が存在し、古くから伝えられてきた。

とはいえ日本の「伝承折り紙(作者不明で古くから伝えられてきた折り紙)」の数は100個を超え、私の持っている「日本のおりがみ辞典(著:山口真)」では180種の「伝承折り紙」が紹介されている。その数だけでも日本の文化に深く広く根差していると言えるのかも知れない。

さて、このような「伝承折り紙」の展開図を描くことで人類の普遍的な文化の想起ができないだろうか。

世界中の地域で様々に発展してきた「折り紙」というものが1枚の紙に戻った時、二次元的で平面的な”ただの紙”に戻った時、積み上げられ折り上げられてきた文化・伝承といったものたちが独自性の皮を脱ぎ捨てて普遍的な人間の所作へと立ち返っていくような感覚を私は覚える。また同時に、折り目(展開図)から現れる美しい幾何学模様が文化・伝承の万華鏡のようにも見えた。

時代を重ねて人々は次の時代を生み出していく。それはひと時も同じ時空間に存在せず、常に移り変わっていく。

複雑に積み上げ組み上げられていく文化・伝承は、解きひらいて見えてくる人間の普遍的な部分の上に成り立っている。

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展開する万華鏡-蓮-

2025.01
[SIZE] 150mmx150mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

幾何学的に見える図柄は折り紙(蓮)の展開図である。

作品シリーズ「展開する万華鏡」の解説

折り紙を解き広げて平面的な紙へと戻すと見える「折り紙の展開図」。

「折り紙」は日本の伝統文化のひとつとされるが、何も日本固有のものと言うわけではない。世界中の多くの地域にその文化特有の折り紙が存在し、古くから伝えられてきた。

とはいえ日本の「伝承折り紙(作者不明で古くから伝えられてきた折り紙)」の数は100個を超え、私の持っている「日本のおりがみ辞典(著:山口真)」では180種の「伝承折り紙」が紹介されている。その数だけでも日本の文化に深く広く根差していると言えるのかも知れない。

さて、このような「伝承折り紙」の展開図を描くことで人類の普遍的な文化の想起ができないだろうか。

世界中の地域で様々に発展してきた「折り紙」というものが1枚の紙に戻った時、二次元的で平面的な”ただの紙”に戻った時、積み上げられ折り上げられてきた文化・伝承といったものたちが独自性の皮を脱ぎ捨てて普遍的な人間の所作へと立ち返っていくような感覚を私は覚える。また同時に、折り目(展開図)から現れる美しい幾何学模様が文化・伝承の万華鏡のようにも見えた。

時代を重ねて人々は次の時代を生み出していく。それはひと時も同じ時空間に存在せず、常に移り変わっていく。

複雑に積み上げ組み上げられていく文化・伝承は、解きひらいて見えてくる人間の普遍的な部分の上に成り立っている。

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展開する万華鏡-兜-

2025.01
[SIZE] 150mmx150mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

幾何学的に見える図柄は折り紙(兜)の展開図である。

作品シリーズ「展開する万華鏡」の解説

折り紙を解き広げて平面的な紙へと戻すと見える「折り紙の展開図」。

「折り紙」は日本の伝統文化のひとつとされるが、何も日本固有のものと言うわけではない。世界中の多くの地域にその文化特有の折り紙が存在し、古くから伝えられてきた。

とはいえ日本の「伝承折り紙(作者不明で古くから伝えられてきた折り紙)」の数は100個を超え、私の持っている「日本のおりがみ辞典(著:山口真)」では180種の「伝承折り紙」が紹介されている。その数だけでも日本の文化に深く広く根差していると言えるのかも知れない。

さて、このような「伝承折り紙」の展開図を描くことで人類の普遍的な文化の想起ができないだろうか。

世界中の地域で様々に発展してきた「折り紙」というものが1枚の紙に戻った時、二次元的で平面的な”ただの紙”に戻った時、積み上げられ折り上げられてきた文化・伝承といったものたちが独自性の皮を脱ぎ捨てて普遍的な人間の所作へと立ち返っていくような感覚を私は覚える。また同時に、折り目(展開図)から現れる美しい幾何学模様が文化・伝承の万華鏡のようにも見えた。

時代を重ねて人々は次の時代を生み出していく。それはひと時も同じ時空間に存在せず、常に移り変わっていく。

複雑に積み上げ組み上げられていく文化・伝承は、解きひらいて見えてくる人間の普遍的な部分の上に成り立っている。

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展開する万華鏡-鶴-

2025.01
[SIZE] 150mmx150mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

幾何学的に見える図柄は折り紙(鶴)の展開図である。

作品シリーズ「展開する万華鏡」の解説

折り紙を解き広げて平面的な紙へと戻すと見える「折り紙の展開図」。

「折り紙」は日本の伝統文化のひとつとされるが、何も日本固有のものと言うわけではない。世界中の多くの地域にその文化特有の折り紙が存在し、古くから伝えられてきた。

とはいえ日本の「伝承折り紙(作者不明で古くから伝えられてきた折り紙)」の数は100個を超え、私の持っている「日本のおりがみ辞典(著:山口真)」では180種の「伝承折り紙」が紹介されている。その数だけでも日本の文化に深く広く根差していると言えるのかも知れない。

さて、このような「伝承折り紙」の展開図を描くことで人類の普遍的な文化の想起ができないだろうか。

世界中の地域で様々に発展してきた「折り紙」というものが1枚の紙に戻った時、二次元的で平面的な”ただの紙”に戻った時、積み上げられ折り上げられてきた文化・伝承といったものたちが独自性の皮を脱ぎ捨てて普遍的な人間の所作へと立ち返っていくような感覚を私は覚える。また同時に、折り目(展開図)から現れる美しい幾何学模様が文化・伝承の万華鏡のようにも見えた。

時代を重ねて人々は次の時代を生み出していく。それはひと時も同じ時空間に存在せず、常に移り変わっていく。

複雑に積み上げ組み上げられていく文化・伝承は、解きひらいて見えてくる人間の普遍的な部分の上に成り立っている。

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相対的正義の展開

2024.10
[SIZE] 850mmx850mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

元自衛官である知人からの依頼制作作品。彼は自衛隊在籍中にレンジャー課程を修了し「レンジャー徽章」を授かった。今回の作品はその「レンジャー徽章」を図案モチーフとして制作を行った。

「レンジャー徽章」のデザインは以下のもの。

”堅固な意志”を意味する「ダイヤモンド」の周りを”勝利”を意味する「月桂樹」で囲んだ意匠である。

現在は新デザインになっており。デザインにほぼ変わりはないが、旧デザインでは月桂樹の実の数が8個、新デザインでは実の数が10個となっており、今回の製作では依頼主の授かった旧デザインの意匠をモチーフとした。

制作にあたり依頼主とは綿密な打ち合わせを行った。

彼は自身が自衛官であったこと、そしてレンジャー課程を修了したことに誇りを持っておりそれを記念した作品が欲しいとのことだった。

その誇りは「正義」というものの本質を感じさせるものであった。

月並みな言葉かもしれないが「正義の逆はまた正義である」という言葉。実際に銃を構え国を守る立場にあった彼の語る「相手の正義」と「自身の正義」。

そこにある葛藤・矛盾・ジレンマの中で彼は「客観的な”正義”というものは正直わからないかもしれない。けれども、自分の家族や友人を守りたいという気持ちは自分にとって”絶対的”なのだ。」と話してくれた。この言葉はまたジレンマを生むものだ。双方に家族や友人、守りたい物や人が在るのである。

彼との話の中での私の結論は”正義”の本質は相対的なものである。これも凡な結論ではあるかもしれないが、正義とはそういう物なのだ。


作品の全体構造は前述の通り「レンジャー徽章」をモチーフとしている。

月桂樹に囲われたダイヤモンド。このダイヤモンドの意匠にさまざまな意味を込めた。

作品に描いたダイヤモンドは、折り鶴の展開図(折り線)である。

日本において折り鶴は「平和」の象徴とされる。詳細は割愛するが、”折り鶴”が平和の象徴となったのは第二次世界大戦中に投下された原爆被害者の闘病生活がきっかけである。

この日本的な視点に依る”平和の象徴”を構図的に解体し、普遍的な平和の象徴にできないかと考えた。

折り線は見方によれば面の境界線を作り出す物である。しかしながら「不切正方形一枚折り」で折られた折り鶴には切り込みが無く、開けば元の一枚の紙となる。

境界線を取り払うことは難しいことではあるが俯瞰して見れば地続きであり一枚の紙なのである。薄っぺらで、裏表のある紙である。この”一枚の正方形”をこの世界だと捉えたとき、美しいダイヤモンドのような輝きが見えてこないだろうか。

人は皆、二律背反との葛藤の中で生きている。

それは自分と誰かという対立だけでなく、自分自身の内にある相反する感情や思考がいつでも何かをきっかけに反転する。

世の中に絶対は無いとよく言うが、瞬間の中で”絶対”を信じなければならない時もある。

引き金に指をかけねばならない時がある。

「堅固な意志」は光を通し、屈折し、分散することで美しい輝きとなる。

その輝きが人類普遍のものであるようにと私は願う。

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鬼の居ぬ間に踊らにゃ損々

2024.06
[SIZE] 397mmx306mm(額含)
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

人は己の中に鬼を飼う。欲望を抑え込み、自身を律し、己を監視するもう一人の自分が内側にある。その鬼はいつも自分自身を恫喝し、己に厳しくあれと一挙手一投足に口出しする。

そんな鬼の振る舞いに苛立ち、他の誰かが自由気ままに振る舞うのを見て妬み羨むこともあるだろう。この沸々と湧いてくる一種の負の感情は誰に向けられることもなく、どこへ発散することも出来ず、ただひたすらに悶々としたまま生きている。

何かのきっかけで己の中の鬼を押さえ込むことのできる機会があるのなら、その角を隠して踊り出してみるのもええじゃないか。

鬼の掌の上で踊らされるくらいなら、地に足つけて踊らにゃ損々。次第に鬼も踊り出す。