WATANABE AKIRA -PORTFOLIO- – 渡邉秋良　-ポートフォリオ-

AKIRA

WATANABE

PORTFOLIO

If memes are the answer, what’s the problem?

STATEMENT

ヒトがヒトとなった時、「描くこと」は共同生活を送るグループの中で役に立ち、生存競争を生き抜いていく上で欠かせない能力となっていったことでしょう。言語能力と並行して”描くこと”は集団内のコミュニケーションにとって重要な役割を担い、他集団との言語を超えたコミュニケーションを可能にする能力であったはずです。そしてその能力は”描くこと”への欲求へと昇華していきます。

ヒトの進化と共に”描くこと”そのものが遺伝的に組み込まれた現代人は、意味もなく意図もせず不意にラクガキを描くことがあります。これがまさに「描くことへの欲求」であると見做し、多くの人々が描く無意味なラクガキを数種に分類し再構築することで図像化する。”描くことのミーム”こそ私の描きたいものなのです。また各作品のオブジェクトは私自身の表現欲求の表れであり、その欲求を”描くことのミーム”で取り巻くことで作品たらしめています。

ヒトが他の動物たちと一線を画す存在である所以は創造する能力にあります。その創造の根源とは何なのか。私は「ミーム(meme)」こそがヒトの「創造性」を駆動しているものだと考えています。私の作品は、文化のカオス的進化を生み出すミームにおいて”ヒトの創造性を駆動するミーム”のひとつとして「描くことのミーム(meme)」を図像化し、人間の持つ認知能力におけるミームの役割を考察します。

What sets humans apart from other animals is our ability to create. What is the origin of that creation? I believe that “memes” are what drives human “creativity.” My work visualizes the “meme of drawing” as one of the “memes that drive human creativity” among the memes that generate the chaotic evolution of culture, and considers the role of memes in human cognitive abilities. To do.

渡邉秋良

Watanabe Akira

87年大阪生まれ。成安造形大学日本画クラス在学中に”線”の魅力に取り憑かれ、大学卒業後から本格的にボールペンを用いた作品を制作する。ボールペンによる描画に日本画の箔の技術を取り入れた表現を開発し他にない独自のボールペン画を目指す。ミーム論を基軸としたステイトメントと共に個々の作品には多層のコンセプトがあり、作品制作と共に”ミームとは何か”を模索している。

美術作家として作品制作のほか、「デッサン教室」や「アートワークショップ」の講師活動を行う。また、webやロゴ、チラシやパンフレットなどデザイン業やイベントの企画なども行っている。