カテゴリー
GALLERY

展開する万華鏡-蓮-

2025.01
[SIZE] 150mmx150mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

幾何学的に見える図柄は折り紙(蓮)の展開図である。

作品シリーズ「展開する万華鏡」の解説

折り紙を解き広げて平面的な紙へと戻すと見える「折り紙の展開図」。

「折り紙」は日本の伝統文化のひとつとされるが、何も日本固有のものと言うわけではない。世界中の多くの地域にその文化特有の折り紙が存在し、古くから伝えられてきた。

とはいえ日本の「伝承折り紙(作者不明で古くから伝えられてきた折り紙)」の数は100個を超え、私の持っている「日本のおりがみ辞典(著:山口真)」では180種の「伝承折り紙」が紹介されている。その数だけでも日本の文化に深く広く根差していると言えるのかも知れない。

さて、このような「伝承折り紙」の展開図を描くことで人類の普遍的な文化の想起ができないだろうか。

世界中の地域で様々に発展してきた「折り紙」というものが1枚の紙に戻った時、二次元的で平面的な”ただの紙”に戻った時、積み上げられ折り上げられてきた文化・伝承といったものたちが独自性の皮を脱ぎ捨てて普遍的な人間の所作へと立ち返っていくような感覚を私は覚える。また同時に、折り目(展開図)から現れる美しい幾何学模様が文化・伝承の万華鏡のようにも見えた。

時代を重ねて人々は次の時代を生み出していく。それはひと時も同じ時空間に存在せず、常に移り変わっていく。

複雑に積み上げ組み上げられていく文化・伝承は、解きひらいて見えてくる人間の普遍的な部分の上に成り立っている。