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胡蝶は月夜の夢を見るか

2022.06
[SIZE] 437mmx315mm
[MATERIAL] Ballpoint pen , Silver leaf

中国戦国時代の思想家である荘子(そうし)の「胡蝶の夢」という逸話から着想を得た作品。胡蝶となってひらひらと飛ぶ夢を見た荘子は、果たして自分は蝶になった夢を見たのか、それとも今ここにいる自分が蝶の夢であるのかと問うた逸話である。

 道教の始祖の一人とされる荘子の思想は、仏教で言うところの「空」の概念に近く、人の感ずるところの美醜からその生死まで人が目の当たりにする物事はただ見せかけであると説く。

 主に東アジアで説かれるような”空”的な概念を私たちは頭のどこかで知りながら、それでも何かを感じ考える。

 私が夜空の月を眺める時、胡蝶は昼寝でもしているのだろうか、と。

当作品の部分写真。蝶の羽の中に絵柄が浮き出るようになっている。